私、引きこもり 7年目 消えない傷痕 癒えない心

f:id:mame0731hanaya503momo:20190603111122j:plain  「う~ん ? おっとう、この傷の写真はニャにかニャ~?」                  

f:id:mame0731hanaya503momo:20190603112631j:plain 「昔、昔、オヨヨが生まれる前に、死のうと思ってつけた傷だよ」

       「ニャニャんと !  死ぬとニャ?どういうことかニャ。話してごらん。

        オヨヨが聴いてあげるからニャ」

「うん、思い出したくもなかったが、先日残酷で悲惨な事件があって引きこもりと連日報道されていて胸に察するものがあって写真を見てたのさ」

「あの、川崎の事件だニャ?」

「そう。川崎の事件さ。おっとうは犯人の岩崎のように人の命を奪う勇気もなかったしけど、死のうとはした。もう、十三年も前だけどね」

「ニャンと ! いったいニャにがあったのかニャ」

「始まりは、十八年前、望まない管理職になってストレスが蓄積して不眠になって味覚がおかしくなって、何を食べても輪ゴムを噛んでいるようで、いるような感覚で、そのうち朝ご飯食べると、すべて吐き出して、病気かもしれないと大きな病院で検査したけど異常がなくて、症状が変わらなくて何件も病院で検査を受けたが異常はなく、精神科の受信を進められて、うつ病と診断されたんだ」

「フムフム、ニャるほど、ニャるほど。そいで」

「最初は、会社に内緒で会社へ行きながら薬を飲んでいたけど、症状が治まらなくて、会社に告知して休職して復帰したけど、二か月働いて、一か月休み、三か月働いて二か月休むを繰り返して、躁うつ病になり、しまいに上司から「「精神科の診断書なんか受け付けない」」とまで言われ、なにかあると責任を押し付けられて追い込まれていったんだよ」

「ニャとニャ ! その上司ってニャ頭おかしくニャいか」

「正直、殺してやりたいと思った。四十数年生きてきて三人目かな」

「ニャに、三人とニャ、誰と誰かニャ」

「まあ、それは言えないが、病気を発症して五年間、辛抱したが、改善されなく会社から遠くへ転勤しろ言われて、ああ自分の必要価値がなくなったと思って退職した。二十五年真面目に働いて築いたものが崩れ落ちるような、情けない思いがしたよ」

「フム、フム、ニャるほど、ニャるほど、そいで死のうとしたのかニャ」

「まるで、抜け殻のように気力もなく、死神に取り憑かれたように死に場所を求めたり、写真のように自傷行為をしたり、薬の大量服用したり、首吊り、病院へ行きかえりの駅の騒音、人混みの雑音に耐えられなくて、耳を塞いで蹲ったり、二年ほど続いた」

「ニャンとニャ、でも死ニャニャかったのニャン」

練炭自殺をしようとホームセンターへ行った時に車椅子に乗った若者が、側溝に車輪を取られて動けなくなっていたところを助けて、まだ若いのに大変だなと思ったと同時に、俺は何をやっているのか、この若者のように足が不自由わけでもない、手足は自由に動くべやと思うと、病院で命の期限を決められながらも生きようとしている人、体にハンデを持ちながらも生きようとしている人たちの様子が頭を巡って、これからのことは、これからだ。死ぬのはやめようと思ったら、背中の死神がいなくなったように、体が軽くなったんだよ。オヨヨ」

「ニャるほど、ニャるほど。フムフムそいでいいニャン。オヨヨには、おっとうしかいニャいニャン。オヨヨだけじゃニャい、みんな、おっとうを頼りにしているニャ、そいで殺したい人はどうした。誰と誰かニャ」

「それは、小説の中で殺したよ。死ぬのをやめようと思ってから、小説を読んでいたら書きたくなって、サスペンスで登場してもらって殺した。だが上司に精神科の診断書の事言われて、その場に凶器となるものがあったならば、当時の心境ならば、本当に殺していたかもしれないなあ。人の善悪なんてものは常に背中合わせ、シリアルキラーでない限り、殺人なんてしないと思っていても、何がきっかけで悪に心を奪われるかわからない。人間なんて、もろく弱い生き物だよ。オヨヨ」

「そうだニャ―、フムフム」

「川崎殺傷事件の犯人、岩崎隆一の行為は生い立ちや育った境遇に問題があったのか、わからないが、自分と関わりのない人子供の命を奪い傷つける行為に同情する余地はない。遺書、犯行声明もないことに、歳だけを重ねたような・・・・・・・・・・」

「フムフム。そうだ、そうだニャン」

「第二部は、今度ね」

「ニャニャンと、第二部もあるとニャ。無理しなくてもいいニャン」